タマオヤモリ飼育ガイド 1
タマオヤモリとは
世の中の人が「ヤモリ」と聞いて思い浮かべる姿を、究極にデフォルメしたようなヤモリ。Cloe Reptiles は、タマオヤモリをそう紹介しています。
どんな姿をしているか
タマオヤモリは、オーストラリアに棲む Nephrurus(ネフルルス)属のヤモリの総称です。英語では Knob-tailed Gecko(ノブテールゲッコー)と呼ばれます。名前のとおり、尾の先に小さな玉のようなふくらみがあります。
体に対して大きな目、いつも笑っているように見える口元、短くてどこかユーモラスな尾。色や模様も種類や個体によってさまざまで、研究者にも飼育者にも人気の高い仲間です。
壁に張りつくヤモリとは違い、タマオヤモリは地面の上で暮らします。指の裏には、壁を登るためのひだがありません。
どこで、どう暮らしているか
見た目はきゃしゃですが、タマオヤモリは地球上でもとくに厳しい環境に適応しています。棲んでいるのは、砂丘から岩の多い斜面まで、オーストラリアの乾いた土地です。分布はとても広く、オーストラリアでこの仲間が見られない地域のほうが少ないほどです。
野生では獲物をあまり選ばず、さまざまな生き物を食べます。身を守るときに見せる威嚇の行動も、この仲間の特徴としてよく知られています。
どんな種類がいるか
爬虫類の分類をまとめたデータベース「The Reptile Database」には、2026年10月の時点で、Nephrurus 属として11種が載っています。2020年代に入ってからも新種が記載されていて、まだ知られていない種がいる可能性も指摘されています。
- Nephrurus levis
- ナメハダタマオヤモリ。次の3亜種が知られています。
- N. l. levis:ナイリクナメハダタマオヤモリ
- N. l. pilbarensis:ピルバラナメハダタマオヤモリ
- N. l. occidentalis:ニシナメハダタマオヤモリ
- Nephrurus amyae
- オニタマオヤモリ
- Nephrurus asper
- サメハダタマオヤモリ
- Nephrurus cinctus
- キタオビタマオヤモリ
- Nephrurus deleani
- デレアニタマオヤモリ
- Nephrurus eromanga
- エロマンガタマオヤモリ
- Nephrurus laevissimus
- スベスベタマオヤモリ
- Nephrurus sheai
- シマユビタマオヤモリ
- Nephrurus stellatus
- ホシボシタマオヤモリ
- Nephrurus vertebralis
- セスジタマオヤモリ
- Nephrurus wheeleri
- ミナミオビタマオヤモリ
呼び名は人や国によって違い、同じ名前が別の種類を指すこともあります。種類をはっきりさせたいときは、学名で覚えておくと確実です。
Cloe Reptiles では、現在流通しているタマオヤモリを全般に扱っています。それぞれの種類は、飼育種図鑑で実際の個体の写真とともに紹介していきます。
タマオヤモリの魅力
いちばんの魅力は、うるうるとした大きな目と、ぽてっとした体つきです。動きにもどこかおもちゃのような可愛らしさがあります。
なかでも、餌をねらうときに尾をぴろぴろと動かすしぐさは、何度見ても可愛いものです。
初めて爬虫類を飼う人にも向いているか
タマオヤモリは、オーストラリアの過酷な環境を生き抜いてきたヤモリです。そのため、初めての人にも飼いやすい種類だと Cloe Reptiles は考えています。
ただし、飼いやすいことと、準備がいらないことは違います。お迎えする前に、飼育環境をしっかり整え、その種類についてとことん調べてから飼育に臨んでください。
お迎え前に知っておいてほしいこと
爬虫類全般に言えることですが、あまり構いすぎないことが大切です。物陰からそっと見守るくらいが、タマオヤモリにとってはいちばん良い距離です。
参考文献
- Justin Julander, Michael Plank『The Complete Knob-tailed Gecko: A Comprehensive Guide to the Natural History, Care, and Breeding of Nephrurus Species』ECO Herpetological Publishing & Distribution, 2020.
- Uetz, P. ほか(編)The Reptile Database(Nephrurus 属の一覧)2026年10月7日閲覧.